神事・お祭り
元禄時代に農民芸能として始まった道化神楽。村中安全、五穀豊穣祈願のため、祭典の時などに奉納舞として上演もされ、門付けが行われてきた。
おかめ獅子頭は総桐作りで軽い。始まった当初から使用され、三百年以上前の作といわれている。
一時伝承が途絶えたが昭和55年に再興された。現在は「獅子舞」、「おかめ神楽」、「道化神楽」そして歌舞伎の「小次郎の初陣」、「平知盛」や「ぼさまおどり」が伝承されている。
その中の「おかめ神楽」は天の岩との再現で、にぎやかな囃子とともにすす払いをして、悪魔を払い浄めて舞う神楽である。
毎年1月第3日曜日 午前11時より上大内公民館で奉納舞が行われる。
●遊佐町指定無形民俗文化財
平津のやさら
開催時期:毎年4月第1土曜日
開催場所:平津地区
●遊佐町指定無形民俗文化財
若者の元服を意味する行事ともいわれ、この日から一人前としてみなされる。
巨大な藁人形をつくり、腹には蓆(むしろ)を巻いて家内安全・村中安全と書く。そして村中を賑やかに担いで回り、村はずれの八面川で送り出していた。(現在は焼いている。)
村の厄災、病気など一切を”やさら”に背負わせて村の外に払い、村の安全を祈る悪霊払いの行事である。
毎年4月第1土曜日に平津地区内で行われる。
太田祭
開催時期:毎年4月25日
開催場所:上蕨岡地区大鳳館(たいほうかん)
蕨岡村第8代・10代村長として蕨岡地区の産業と観光の振興に尽力した太田俊賢。終戦間際の食糧難の際には村の米倉を開放して村民の窮乏を救済した。その俊賢を偲び、功績を知らせるためのお祭り。
毎年4月25日に大鳳館で行われる。
扇宮八幡神社の春の例大祭。お昼前後におみこし行列が石辻公民館から神社まで練り歩く。
●山形県指定無形民俗文化財
鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮に伝わる延年の舞。その起源は室町時代に遡るといわれている。
蕨岡の修験の家に生まれてきた者は、3歳になると懐児(だきち)と称して法会にはじめて参加する。修験の家の跡継ぎとして一山衆徒の承認を得、童哉礼(どうやり)、童法(どうほう)などの稚児舞を舞う。
16歳になると髪を剃り得度して卿名を名乗り、初峰入りの新客を努める。その後、倶舎(ぐしゃ)、太平楽などの延年を舞う。その後、田楽役を務めこれらの役がすむと、鳥海山道者を案内する先達の位である先途(せんど)の修行に入ることが許された。先達と呼ばれる位を得るために「胎内修行」といわれる10ヵ月に及ぶ修行を行った。
蕨岡修験においては芸能と修行は一体のもので、年齢に応じた通過儀礼があった。
5月3日の大御弊祭時に神社境内の神楽殿(国登録有形文化財)で奉納される。
平成5年に山形県指定無形民俗文化財に指定された。
上寺大御幣祭
開催時期:毎年5月3日
開催場所:上蕨岡地区
蕨岡修験者が大先達になるために10ヶ月に及ぶ胎内修行と呼ばれる籠りの修行を行っていた。その中心となる行事が大御幣祭である。
毎年5月3日に上蕨岡地区内で行われる。
鹿野沢に鎮座する金比羅神社は、縁結びの神様と海の守護神であり、竜神様が祀られている。
寛永年間(1644年)、庄内地方に雨が降らず大ひでりになり、農民が七日七夜金比羅神社に雨乞いをした。すると天下から竜が天下り大雨を降らせた。その龍は天狗盛りの麓の大穴にもをひそめたといわれている。
それ以後、災難消除、五穀豊穣を祈念し旧暦6月7日(現在は海の日の前日)の夜に行われる。
●国指定重要無形民俗文化財
杉沢に伝わる番楽。その始まりは鳥海山信仰の隆盛期であった鎌倉時代あたりと推定されている。
鳥海修験の隆盛と衰微の変遷のなかで、いつしか修験者から村人へと受け継がれてきた。昭和53年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
杉沢比山は熊野神社が舞台で、毎年8月6日(仕組)15日(本舞)20日(神送)の3日間行われる。演じらる曲目はもともと24曲であったが、現在は14曲が演じられている。